国際P2M学会 会長挨拶


平成17年10月30日に、本学会設立総会が開催されて発足して以来、早くも約10年が経過いたしました。この間、

1)政府の全財団法人の見直し政策を受けて、規約等を整え、一般財団法人「国際P2M学会」として正式の認可を得て改めて発足することが出来ました。
プログラムマネジメントに関して、内容を討議した結果を取りまとめてVersion2.0としてホームーページに掲載しました。

2)普及広報活動の一環として成書『プログラムマネジメント』を日刊工業新聞社より出版いたしました。

3)毎年、春と秋に年会を開催し、そこでの発表論文を中心に、「国際P2M学会誌」を発行し、 第9巻を数えるに到り、日本学術会議より学術雑誌としての認可もいただきました。

4)今年、11月韓国、麗水で開催されたアジア化学工学会議において、特にP2Mに関するセッションが設けられ、 事例報告も含めて韓国や台湾からの参加者に対して説明の場を持つことが出来ました。
来年3月にはベトナムにおいてJICAの支援も得てホーチミン大学と共催でセミナーを予定しています。

と、会員の皆様の絶大なるご協力を得て、ささやかながら数々の努力を積み重ねて成果をあげて参りました。
経済成長率は3つの要素、労働力の増加率、資本ストックの増加率、そして技術進歩率の総和からなります。 人口減少と老齢化の進行、そして工場の海外移転が進行する状況下では、今後とも伸びが期待できるのは技術進歩の項目しかありません。 イノベーションが渇望される所以です。さらに東北の大震災で傷んだ国土を回復させ、速やかに復興を実現するためにも日本企業を元気づけるイノーベーションが不可欠です。 しかしながら、今年のノーベル賞に輝いたLED照明も1900年代の業績であり、 政府がイノベーションの重要性を力説するようになった2000年台に入ってからは、むしろ我が国のイノベーションは停滞気味です。
イノベーションは新しい技術開発だけを意味するものではありません。 新規なサービスや市場の開拓をも含みますが、新製品が商品化され消費者に浸透し、 継続的事業として市場が確立されて初めてイノベーションとなります。その行程は必然的に「不確実性」という特質を有しています。 この不確実性に富んだ仕事をやり遂げるためには、組織内外の多くの人々を納得させ、引っ張り、 目的達成に到るダイナミックな営みを必要とします。 P2Mは、そのための理論的、実際的手法を与えるものとして、多くの事例に当たる中で進歩発展を遂げていけるよう努力して行きたいと考えます。 前述の成書もイノベーションを確実に遂行する手段を副題としています。
来年は、学会創立10周年を迎えますので、その記念行事として目下、国際シンポジウムの開催を計画中です。 皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

平成26年11月17日
会長  吉田 邦夫

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